12月になっているのに今更秋でもなかろが、一昨日の高取城址はモミジがまだ残っていて秋の風情だった。
奈良県高取町の標高584メートルの高取山の頂上にある城跡には、風格のある石垣があり、いかにも古城という言葉にふさわしい趣がある。
しかし、紅葉の方は今ひとつ色が冴えない。もう10年以上も前に、ここできれいな紅葉に目を見張った記憶があったのだが、それに比べるまでもなく今年の紅葉には美しさがない。
毎日ここに登っているという、地元の人も今年は駄目だと言っていたので、すでに美しい時期を過ぎていたのでもないらしい。
それはともかく、城跡のケヤキの落ち葉を踏み、石垣の傍で貫禄のある杉の大木を仰いでいると、三橋美智也の「古城」という古い歌を思い出した。
「♪松風さわぐ丘の上」と、口ずさみながら、若い頃を思い出し懐かしんだが「秋の古城」には昔を偲ぶ何かがあるのだろう。