先週末、いつもの山仲間のグループで我が故郷の山「九重山」に登った。この時期の九重なので、お目当てはもちろん「ミヤマキリシマ」だった。
金曜日の夕方、大阪の南港を出航した関西汽船は、穏やかな瀬戸内海を順調に走り、翌朝6時50分に別府観光港に着岸した。
山登りで一番気になるのはお天気だ。船から降りると誰もが真っ先に空を見上げる。薄い雲が広がっている空を眺めながら、「雨の心配はなさそうだねえ」と、口ぐちに言う。
事実、雨は降りそうになかったが、いつも目の前にで~んと構えて僕の帰郷を迎えてくれる「鶴見岳」が霧に隠れて見えないのが僕には気に入らなかった。
別府に着いたら、「あれが高崎山で、こちらが鶴見岳だ」と、山仲間に説明しながら美しい我が故郷の景色を自慢するつもりだったので、これにはがっかりした。この様子だと「由布岳」も見えないかな?、と先のことまで気になった。
思っていた通り、その後も鶴見岳は顔を見せず、 由布岳も霧の中だった。そして何より気になる九重連山は飯田高原を過ぎても見えなかった。
今日我々は「牧ノ戸峠」から九重連山の主峰「久住山」に登り、中岳を経て法華院温泉に下り、そこに泊まる計画だ。牧ノ戸峠で下車すると、薄い霧の中に大勢の人がいた。服装から全員が登山者ではなさそうだが、ツアーらしい団体の登山者も何組かいた。
牧ノ戸峠から20分ほど歩いた所で、緑の木の中にピンクのミヤマキリシマが霧の晴れに見えた。
ミヤマキリシマは、今日のコースより明日登る予定の「大船山」や「平治岳」の方が大きな群落となているらしいが、緑の中に点在する景色も美しい。
九重連山は美しい緑に覆われている山が多いが、こんな場所もある。噴出する硫黄のために植物が育たないらしい。
中岳を過ぎるころから、霧が濃くなってきて雨が心配されるようになったが、それでも霧の晴れ間にはこんな美しい景色が見られた。